高原のポニーに呼ばれて
高原のポニー、と聞いて何を思い浮かべますか?
多分、まったく興味関心のない方は馬でしょう。
高原ですし、ポニーですし、高山地帯の草原を走っていく小型の馬が出てきて何の不思議もありません。
wiki先生にポニーとは何を指すのかと聞いたら、肩の高さが147cm以下の馬の総称だそうです。品種じゃないのね。
しかし、まぁ馬ではありません。というか、生き物じゃないんですよ。
無論、よく御存知の方も多くいらっしゃるでしょう。私と想像したものが一致した人は、間違いなく鉄道に興味関心を持たれている方でありましょうしね。
そう、鉄道車両です。
おやつの時間まで死んだように眠っていた熊(兄)が、唐突に起きだしたかと思うと私に
「出かける準備をしろ、直ぐに」
などとのたまうので、バイクでの出発準備を整えて、
ここに向かいました。
去年から数えて4回目くらいでしょうかね。もう年間パスあるなら買うべきなレベルです。それくらいなじみの場所。
今は京都鉄道博物館、元梅小路蒸気機関車館、です。
ここで高原のポニーのとあるセレモニーが、19時くらいから行われるとのこと。
到着した時刻が16時くらいだったのですが、今日は館内展示をスルーして通り扇形機関庫へ向かいます。
セレモニーとかイベントとなると人が多いのは目に見えてますしね……。
泣く子も黙ると謳われたD51形蒸気機関車のトップナンバー機。
今は姉妹である200号機と498号機が本線で活躍してますね。まぁ、どちらも標準型だったと思うので、この1号機とは結構見た目も違うのですが。
屋外展示の1070形蒸気機関車の1080。
実は元々6200形(6270形?)と呼ばれていた英国ニールソン社製のテンダ―式蒸気機関車です。
もうね、輸入機ってだけで古いのがわかります。私の記憶が正しければ、最後に輸入された蒸気機関車はC52型蒸気機関車だったと思いますし、輸入が主力だった頃となれば国産蒸気機関車の8620形以前となりますから。
入れ替え専用機のB20さんです。
個人的にはウメテツよりもこいつのほうがマスコット感が強い。
でも、こいつは沢山の人に支えられて、動態保存機として時々動いているそうです。
個人的には、動いてる姿が見たいSLランキング上位です。
本日スチーム号担当だったのは、大正時代から60余年に渡って活躍した初の完全国産蒸気機関車である、8620形8630さんです。
本日の個人的ベストショット。
人吉に行ったときに、本線で走る姉妹機の58654牽引のSL人吉にも乗りましたが、なんとも品のある蒸気機関車です。
後年の大型機に比べると小柄ですが、元々低規格線向けに作られた小型というわけではなく、東海道本線や山陽本線も主力で引っ張った主力機ですしね。
仕事終わりの8630。可愛いし、カッコいいなぁ君は。
でもお主北びわこ号を引っ張ったことはないだろう。
まぁ、ヘッドマークついてるだけでも普段と違うから、写真バシャバシャ撮られてましたけどね。
……で、何の話でしたっけ?
あぁ、そうそう、高原のポニーでしたね。
正直、上記の機関車たちを含め、梅小路のSLは鉄博行けば大体いつでも見れます。
となると、そのセレモニーとやらは何なのか。ついでにいい加減ポニーとは何なのか。
時刻は19時前ごろでした。
本日のSL北びわこ号運用を終え、EF65形電気機関車に牽引されてポニーは姿を現します。
C56形蒸気機関車160号機、通称『高原のポニー』。
あーもう凄い人垣です。
現在の動態保存車はこの子と、長期休暇にジェームスに化けるという都市伝説を持つ大井川鐡道の44号機だけですね。
このC56形は小型のテンダ式蒸気機関車で、簡易線運転が可能な中・長距離向けの機関車として誕生しました。
簡易線というのは、簡単に言えば線路の状況が悪く、大きく重い蒸気機関車の通過に耐えられない路線のことです。つまり、このC56形は軽いのです。
同じく簡易線運転が可能なC12形蒸気機関車とは血を分けた車種ですが、C12形はタンク式機関車で、短距離向けだったのです。
つまり、線路や地面は重さに耐えられないけれど距離が長い路線向け、とかいうニッチな感じの存在でした。
実際にはとてもニッチとは言えない活躍ぶりですが。
そして、高原のポニーという愛称は、復活運転でC56が牽引した『SLのべやま』という臨時列車が由来だそうです。
路線は小海線、高原地帯を走行する路線を走行した小柄なC56をそう呼んだそうです。
セレモニーというのは、この子の卒業式です。
C56 160は長い間、SLやまぐち号やSL北びわこ号をはじめとした、多くの本線運用をこなしてきました。
ですが今回、より大型で力のあるD51 200が本線に復帰を果たしたことで、C56 160は本線での運転を引退することとなったのです。
この子が廃車解体されたり、消滅してしまうわけではありませんが、本線を走る姿を見ることがなくなるのは、やはりさみしいものです。
今後このC56 160はSLスチーム号を担当するチームの1両として、時々運用されるようです。
扇形機関庫3番に帰ったC56 160は、今後同じ現場で働く8630の隣に収まっていました。
またいつか、本線を走る姿を見ることができるのか、それはわかりません。
でも今日までは、お勤めご苦労様でした。
夕闇迫る機関庫にて、まだまだ元気に走ってほしいSL達。
一通り写真を撮り、C56 160に別れを告げ、今日は家路につきました。
……そういえば、C62は分解されたままだけど、あの子はどないするつもりなんでしょ?
帰宅後、ジャケットのフェイクレザーが破れていることに気づく。
こうして竹氏の日本一周開始までの出費は嵩んでいきます。
ジャケット買わなきゃ。
あと、こっそり銭湯にも行ってました。
宇治市大久保にある大久保湯さんです。
43℃くらいのお湯に、ジェットバスや電気風呂など設備は大体揃った銭湯で、地元のお客さんが多い良い場所です。430円だしね!
今日はお客さんが多く、少し混雑気味でしたが、活気のある銭湯というのも悪くないですね。瓶のキリンレモン美味しい。
さてさて、SLも銭湯も、日本一周でやりたいことはいっぱいあるなぁ。
絞れるか竹氏。